2013年11月23日土曜日

存在しない命



「N-756・・・お前は恋をしてはならない。
何故ならお前は存在しないんだから・・・。」



違う!



「違う?何が違うんだい?
お前は造られた命だ。死んでも誰の記憶にも残らない。」



そんなハズない!だって・・・。



「“彼”がお前を本気で愛してくれると思うか?」



そ、それは・・・。



「任務を忘れるな。お前はある任務を果たすために造られた。
任務が終わればお前は消えなければならない。
数日経てば“彼”もお前を忘れるさ・・・。」



・・・・・・・。



「お前は存在しない命。」



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Basil 「・・・・・・・・・・。」








Basil 「・・・・・・・・・・・・・。」








Basil 「何だ?今の夢・・・・。」








N 「おはよう、お寝坊さん。やっと起きたわね。」








Basil 「なんだN、起きてたのか。(良かった。露出度低めな服で。)」

N 「何言ってんの。もう9時でしょ。さっさと着替えて。」

Basil 「・・・?何処かへ出かけるのか?」








N 「まあ・・・そんなトコ。」







Basil 「なんだ・・・。近くの広場か。」

N 「えぇ・・・たまにはゆっくりしたいなと思って・・・。ほら、今まで忙しかったでしょ?」

Basil 「・・・・まあ。」








N 「それにこっちの方が色々本音が話せるしね。」

Basil 「・・・・・・・・。」

N 「研究所の狭い部屋でずっと閉じ込められてたからかな?広い所が落ち着く。」

Basil 「・・・・・・・。」

N 「昨日私ね、変な夢見ちゃったの。」







Basil 「夢?」

N 「夢というより、現実に戻された感じ。夢の中で誰かに叱られちゃった。」

Basil 「・・・・・・・。」

N 「私、心のどこかであなたと一緒に居られたらって期待してた。」

Basil 「・・・・・え。」

N 「でも・・・・約束したからね。この任務が終わったらあなたから消えるって。」







N 「そう自分に言い聞かせる度に胸が苦しくて・・・。変なの。まるで“人間”みたい。」

Basil 「・・・・・・・・・。」

N 「本来なら感情を持ってはいけないのにね。でも何だろ?この気持ち。今まで誰にも持ったことがないの。」

Basil 「・・・・・・・・・・・・。」

N 「だけど約束は約束。この任務が終わったらあなたの前から消えてあげる。ごめんね?変な事言って。」







Basil 「その夢の内容・・・俺にも聞こえたかも知れない。」

N 「えっ?」

Basil 「N-756・・・これってお前に付けられたあだ名か?」

N 「・・・・・違う。」








N 「豚等を飼育していく際に見分けられる様にタグを付けるでしょ?あれみたいなモノよ。」

Basil 「・・・・・・・・・。」

N 「私には名前もない。親もいない。造られた人間。本来なら存在しない命だった。ううん、存在しないのは案外間違ってないかもしれない。何故なら法律的には存在していないとされているから。」

Basil 「・・・・・・・・・。」

N 「大怪我をしても病院にはいけない。犯罪を犯しても警察には無にされ・・・哀れよね。子供も産んではいけない。・・・・存在しない者から産まれて来る命もどうせ存在しない者にされるから。」

Basil 「そんな事・・・・・言うな。」







Basil 「少なくても今、お前は俺の中で存在している。」

N 「・・・・・・え。」

Basil 「お前の事知りたくて色々調べて・・・知っていくうちにいつの間にかお前の事気になってた。」

N 「・・・何言って・・・・・・。」

Basil 「この任務が終わっても俺はお前と一緒にいたい。」







N 「・・・・・・正気?あたしと居ても苦労するだけよ。あなたとの子もこの先きっと・・・・。」

Basil 「それでもいいと思ってる。この任務が終わったら・・・・今度は上辺だけじゃなくて本気でお前と付き合っていきたい。」

N 「・・・・・・・・・。」








N 「あ、あれ・・・?」







N 「か、勘違いしないでよね。別に悲しくなんかないんだから。」アセアセ

Basil 「・・・・分かってる。」

N 「そ、そろそろ帰らないと!」

Basil 「待って。」

















N 「・・・・・あ。」

Basil 「一応逃げないように印付けといた。」

N 「・・・・・・・・・・・・。」

Basil 「さっきの質問の答えは強制しない。任務が終わるまでじっくり考えてくれ。」

N 「・・・・・・・・分かった。」